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幸福と不幸のロンド
2008/08/24(Sun)
 本日は仕事を早々に切り上げてお芝居を見てきました。
 e+のプレリザーブ(先行抽選予約)で当たったチケットで「X列」って書いてあるから「最後列辺りか。イープラスの先行はいつも悪い席ばっかりだよなあ」と思っていたら、実は最前列。しかも、私の席はほぼセンター。舞台と客席も近くて目の前で役者さんの演技が見られる! 内心ガッツポーズ。
 ありがとうe+。あなたにここまで感謝したのははじめてかもしれない。

 演目は『ウーマン・イン・ブラック』。上川隆也さんと斉藤晴彦さんの二人芝居。
 あらすじを「黒い服をまとった女性をめぐる男性二人の話」と聞いて、「腹黒い女性に翻弄される(あらがおうとする)男性たちのお話かな」と思って申し込んだんです。チケ申し込み時の少し前に見たキャラメルボックスのお芝居で号泣した余韻が残っていて「また感動できるといいな」ってのもあったし。

 バリバリの ホラー でした。

 ありがとうe+。きみはやっぱり私の予想を裏切らなかったんだね。ここまで幸福と恐怖を同時に感じたことはなかったよチクショウ(ホラーは超苦手)
 最初はほのぼのコメディもあったから微笑んで見ていられたんですけどね。1幕後半から雲行きが怪しくなり、2幕は大変なことに。女性の「ギャァァァッ」という叫び声に本気でびくっとして、テンプレ通りに両耳ふさぎましたからね(つられて悲鳴を上げなかったのは自分でも偉かったと思う)。その後も常に半分耳ふさいでビクビクしながら見てました。もう役者さんの演技を楽しむどころじゃありません。登場人物とシンクロして「一刻も早く逃げ出したい」って気持ちでいっぱいでしたから。たとえ救助の人が来ても夜が明けても、またいつ「彼女」が出てくるかわからないって、最後の最後まで安心できませんでした。前回の(キャラメルボックス)公演とは違う意味で泣けました。

 でも。それでもすぐ目と鼻の先で好きな役者さんが演技してることは素直に嬉しいと思える自分もバカだよなあと思ったり(苦笑)。だって好きなんだもん。


 以下、思ったことをつれづれに。

 ホラー映画はすべからく苦手ですが、ホラー演劇も怖いものですね。「作り物」感が強すぎてそれほど恐怖心を感じないのではないか、と考えたこともあったのですが、そんなことは全然ありませんでした。

 自分しかいないお屋敷の3階の奥にある、開かないドア。鍵穴も外側のかんぬきもない(=内側から「誰か」がかんぬきをしないと閉められない)。どんなに叩いても叫んでも内側からの反応はなく。
 数日後。得体の知れない音の発生源を求めて屋敷を歩くと開かないドアの前にたどりつく。今度はドアが開く。おそるおそる進むと、その先は子供部屋。屋敷内で誰とも会わず、ドアから部屋にたどりつくまでも誰にもすれ違わなかったのに、部屋の中は無人。デザインは古いけど、今しがた片付けたばかりのようにきちんと並ぶ衣装や人形(ちょい不気味・涙)。その部屋の中で不気味にゆれる安楽椅子(音の正体)。駆け寄って安楽椅子の動きを止めて、見回した部屋が「普通の子供部屋」であることにほっとして、子供用ベッドに腰掛けて何気なく奥を向くと、やせこけた黒衣の女性の顔が目の前に!
 ダッシュで逃げ出して、ドアの外に転がり出ると、どこからとなく聞こえてくるポニーの馬車の足音(屋外を走る馬車の音が屋敷の奥まで届くわけがない)、そして響き渡る女性の絶叫。ギャーッ!!!!!

 (ぎゃああああああああああっっっっ) ←心の中で悲鳴

 ……はあ。はあ。思い出しながら書いてるだけで怖くて泣けてきた(涙)
 すいません。お芝居見てない人には、私の文章力では何が怖いんだかわからないですよね。でも、あの不気味な雰囲気とか、大の大人(上川さん)が本気でおびえている様子(演技)とか、女性の悲痛な絶叫とか、もう何もかもが本気で怖かったんですよ。あの瞬間、私の「『劇』として楽しむ」姿勢は崩壊しました。あとはひたすら「ストーリーに飲まれて」いました。
 この後も怖いシーンてんこもりでしたからね。「彼女」は思いがけないところで現れるし、得体の知れないポニーの馬車の音は響いてくるし(「子供部屋の主」がどんな子がわかったときに馬車の正体はなんとなくわかったけど)。逃げ出す直前の、最後に子供部屋に入ったときは本気で怖かった(立ち向かう気力ゼロになるほどおびえてたのに、魅入られたようにドアに吸い込まれていく役者さんも怖かった・涙)。なんで誰もいない、誰も触ってない部屋があんな風になっちゃうのよ。さかさまになってバンザイさせられている(「吊るされている」に近い形)人形たちとか本気で怖かったんだから。そしてその中で静かに鳴るオルゴール……ああもうやめて。

 あそこまで素直にびびりまくってたの、あの観客の中で私くらいだろうなあ。こういう系統のお芝居は、ホラー嫌いは見ないし、ホラー好きは恐怖を楽しみますからね。スタッフやキャストにとってとても良質な客だったと思います(苦笑)
 お芝居は最後の最後まで安心できずおびえていて、カーテンコールでも後ろにひっそり「彼女」の姿が見えたときにびくっとしていたので、何回目かのカテコで上川さんと斉藤さんがキャストの犬(空気犬・笑)をハグ&なめられる演技(パントマイム)をしたときに、やっと、ちょっと笑えました。笑えることの素晴らしさをしみじみと実感した瞬間でした。

 でも、帰ってきて落ち着いた今なら思うんです。
 ホラーが苦手だから怖かったのもあるんだけど、あの演出とか、キャストがすごかったのもあるんじゃないか、と。
 演出は面白かった。前面の籐編みの大きな道具入れがいろんな道具に変化して、衣装を少し変えただけで別人物・違う日になっていくのも楽しかった。舞台前方の細い板(渡り道として使用)の下だけがきしむように作ってあるのも凝っていた。紗幕の使い方も丁寧だし、奥の階段とか墓地の作りも観客との距離感もほどよかった。何より、そんなに大雑把(観客の想像力に委ねる)つくりなのに、「子供部屋」だけはセットがきちんと作ってあるところが怖さ倍増だった。
 役者さんは文句なしでしょう。斉藤さんの演じる、お芝居経験ゼロの一弁護士が、少しずつ演技が上達していき、最後には俳優が本気でのめりこむだけの雰囲気を漂わせていた(チョッキに手をつっこむ演技がどんどん「らしく」なっていくのとか面白かった)
 俳優役の上川さんはね、もう、言葉にならんとですよ。あんな大の男に目の前1メートル先で絶叫されてごらんなさい、本気でびびりますから(意外と声は野太かった)。「余裕しゃくしゃく」→「ちょっと怖そうだけど気張ってみる」→「ただの強がり」→「本気で怖い」→「もうイヤだ逃げたい」の変化の見事なこと。終盤に泣きそうになってても「カッコワルイ」なんて微塵も思わなかったですからね(私自身が感情シンクロしておびえすぎていたのもあるでしょうが)
 こうやって冷静に考えると、やっぱり「ストーリー」だけでなく「劇」そのものにやられたのかな、と思うんです。完敗です。

 唯一の不満としては……オチ?
 原作小説と違うらしいのですが、あのオチは、伏線の時点で読めてしまいました。ホラーの常道だし。作品全般であれだけ恐怖を感じていたのに、その最後の最後の「恐怖」を感じることができなかったのは、ちょっと物足りなかったです(え?)


 余談1
 キャストの代表作で、上川さんのところに『SHIROH』が掲載されていたのが嬉しかった。演出家(いのうえさん)が演劇ファンなら大抵知ってる有名人だから、というのもあるかもしれないけど、たくさんの出演作品の中から『SHIROH』を選んでくれていたことが嬉しかったんです。本人的には、ごくわずかでも「やっちゃった」感があっただろうな、と思うから(苦笑・ミュージカルは余程歌が上手じゃないと抵抗があるでしょう)

 余談2
 今回の劇場は渋谷にあったのですが、私が渋谷駅を出たタイミングと通り魔事件は5~10分くらいのニアミスだったらしいです。帰りにハチ公口前の交番にお巡りさん多いなあとは思ったけど、渋谷だったらあれくらいが普通なのかもしれないと特に深く考えなかったし。帰ってきてからニュース見てびっくりしました。
 私にとっては、これも「不幸中の幸い」なのでしょうね。ケガされた方々の回復をお祈りしています。

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