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今年の観劇総評と夜会・今晩屋
2008/12/29(Mon)
 今回は今月観た中島みゆきの夜会の感想を……書く前に、例年恒例行事の今年の観劇の総評を。


  2008年の戦績……14演目18公演。
 (2007年の戦績……10演目14公演/2006年の戦績……25演目30公演)

 仕事に追われてて全然観た気がしないのに、それでも去年よりは観ているんですね。今年は仕事の忙しさで観劇報告をしていない作品が多いので、皆さんにも意外かもしれません。ちなみに1~2・6・9~10月は1個も見ていませんでした。いかに短期集中で申し込みや観劇をしていたかがわかる結果です。

 最もよく見たで賞  ……『舞姫』(3回)
 最も泣いたで賞   ……『きみがいた時間 ぼくのいく時間』(ワンシーンのみ)
 最も怖かったで賞  ……『ウーマン・イン・ブラック』
 最も気に入ったで賞 ……『舞姫』

 今年は「見て良かった~感動した」という作品が思ったより少なかったかも。東宝ミュージカルが(個人的には)不発だったからかなあ。
 舞姫の回数が多いのは「観て感動したから」ではなく、前評判を聞いてもともとチケットを多く取っていたからです。でも噂にたがわぬ作品でしたよ。歌のよさ、役者の好演技(宝塚にしては)、そして原作以上に豊太郎(主人公)に共感できる悲恋ストーリー。観られて良かった。いつかDVDになってほしいな。
 「最も泣いた」のは、過去の世界に行った主人公が、そこで10年ほど暮らしてようやく出会えた未来の妻(赤ん坊)を新生児室の外から見つめる視線に泣かされました。会うことを願い続けた人物にめぐりあえた喜びはかけがえのないものだと思うんです。そのワンシーンが全てです。
 一方の「最も怖かった」のは、ホラーだから(苦笑)。最前列でホラーの観劇はもうおなかいっぱいです。良い意味でも悪い意味でも上川さんに泣かされた一年でした。


 では、以下、夜会の感想を。


 事前知識を一切仕入れないで行ったのですが、今年のモチーフは『安寿と厨子王(山椒大夫)』でした。わりと知っている作品で良かった。知らないと、内容の細かい部分や、みゆきさんの言葉の選び方の意図が理解できずに置いていかれそうなので(苦笑)
 お話は「安寿と厨子王のその後」。転生した2人が、心のどこかに残るわだかまり(後悔の残滓)にひきずられている、というお話。過去と現在が入り混じり、ある来世と別の来世が交錯しあい、やがて許されて、そして罪を抱えて新たに生きていく……という感じでしょうか。今回の作品は解釈が難しいです。

 厨子王が姉を死なせて生きていることに罪悪感を抱いているのは切なかったですね。弟は弟というだけで大切な存在だから、弟を逃がすために苦労を背負うことが負担であるはずがない。自分を責めなくていいのに。そんな風に弟に思わせてしまったことに、姉の後悔は募り、いつまでも逃れられない。どちらの思いもわかるだけに、が切なかったです。

 好きなシーンは、いっぱいあります。みゆきさんのコミカルな「暦売り」は観てて楽しかったし、庵主(こっちも「あんじゅ」と読みますね)様のイイ性格だったり面倒見のよすぎるところも面白かった。
 ぐっとなったのは、みゆきさんが2人(安寿と厨子王)の母を演じるシーン。真っ赤な照明の下、目に布を巻いて竿(?)を左右に振るんですね。「安寿恋しや、ほうやれほ 厨子王恋しや、ほうやれほ」って。何のセットもない中で、ただ目の見えない人間が鳥を追い払うしぐさで歌うだけ。だからこそ言葉が力を発揮し、迫ってくるものがある。まあ、元々お母さんのこの歌が好きなのもあるでしょうが(小学校で担任の先生が読んでくれた(=初めて聞いた)ときから好きなので)。この歌の「疾う疾う逃げよ」のフレーズは、安寿が厨子王を逃がそうとするときも何度も使われていて、その分、母も姉も変わらぬ弟への愛が胸に響きました。
 一番好きなのは、1幕の最後。厨子王に旅支度(僧侶姿)をさせて、門をくぐって旅に出させ、安寿はその場に残って門を閉じ、近くの泉に身を投げる。やがて焼け落ちる寺院。姉の静かな所作のひとつひとつに「弟だけは生きていてほしい」という願いが感じられ、弟も姉のその思いを感じて厳かな表情で消えていくんですね。あれは良かった。
 森鴎外の「安寿と厨子王」には炎上シーンがなかったはずなので、そこだけは疑問だったのですが、後日調べてみたら元ネタの江戸時代の「説教」から採ったのかもしれません。こっちは安寿が入水せず、捕らえられて様々な拷問の末殺されてしまいますので(そして山椒大夫も厨子王にメッタメタに復讐される・汗)

 ただ、1幕のラストではあれだけ感動したのに、2幕の最後は、私にはよくわかりませんでした。結局「今晩屋」は何なのでしょう。夜を売った……とは思いにくい。全てを抱えて苦しむ人たちに、許されることと、己を責めずとも忘れずに生きていって欲しいのがみゆきさんの願いだと思うから(※個人的解釈)。それなら「やり直す」ために「夜を売る」ことはしないでしょう。後悔を抱える人たちに、やり直しを願うか尋ね、やり直さずに生きていく人たちを見送る存在だったのかなあ……

 舞台美術も美しかった。冬に水を多用しているので役者さんには寒いでしょうが、本当に綺麗だった。せせらぎも、雨音も、水族館の中も、水音はすべて優しくて心地よいし。堀尾さん(美術)の仕事には心からGJと言わせていただきたいです。

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