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『その日のまえに』
2006/11/25(Sat)
 本日は受験で非常によく主題される重松清さんの本から(毎年複数の学年のテストで使用させていただいております。多謝)

 『その日のまえに』は去年出版されて、それなりに人気が出ていた作品です。私も発売当初から気になっていたのですが、「しばらく待てば文庫になるはず」と買うのをぐっとこらえていました。
 今回、現在作成中のテストで使う物語文の候補がどれもイマイチで、「重松さんの本だし、使えるかも」とついに購入。今日の職場で朝から読んでました。

 泣けるとは思ってたけど、やっぱり泣けた……!

 職場で目を一生懸命またたいて、必死に涙をおさえておりました。職場で本を堂々と読めるのはいいところだけど、うっかり感動して泣きそうになって大変な目にあるのはちょっと難儀ですね。
 職場で泣かないようにがんばったのは『フランダースの犬』以来でしょうか(『フランダースの犬』も、ネロが亡くなった後の金持ち父と友人の女の子の反応にやられたんですよ。児童図書は名作多くて大変です)

 以下、ネタバレ。
 知ってる人もいるでしょうが、この作品の「その日」は「亡くなる日」のこと。身近な人の死を経験した人、死の告知を受けた人やその家族、死に向かって生きていく人たちの姿を描いています。
 「死」ってテーマは、それだけで泣かせ要素が無条件に追加されてしまうので弱いのですが、それをぬきにしても良かったと思います。
 重松さんのお話の何がいいって、賢い人はいないけど(むしろ愚鈍だったり失敗ばかりする人が多いかな)、その人たちを見つめる視線がものすごくやさしいこと。いっぱい間違えながら、それでもひとつずつ片付けて、一歩ずつ歩いていこうとする姿勢がたまらなく好きです。登場人物へのまなざしは、宮部みゆきさんとかに近いかな、とも思う。彼女の作品ほど「極端に良い子(少年)」はいないけど(苦笑)

 まあ、さすがに「死」の匂いが全体的にただよってたので、テストでは使わないって結論に落ち着きましたけど。むしろ使わないから、読んだ直後に感想を書いてるんだし(テストで使うときは、テスト実施後まで話題にできないですからね)


 個人的には、お盆に商店街で花火大会を開催しようとする薬屋さんの話が一番ぐっときました。連絡先を聞き損ねたばかりに、一度しか再会できなかった旧友。それでもその友達は最期まで自分が話したクリスマスイベントを楽しみにしてくれてた、って。とても見たがっていたから、と、お骨になって奥さんにつれて来てもらったのを見たら、たまんないと思う。数十年ぶりの一瞬だけの再会を、友人がどれほど大切に思ってくれていたのか思い知らされるのだから。
 メイン主人公の夫婦は全部ツボなんですが、「その日」の朝の歯ブラシエピソードとかつらかった。奥さんは自分の歯ブラシを処分して(身辺整理して)あるのに、新しい歯ブラシを出そうとしたら、家族の歯ブラシの中に、奥さんの新品の歯ブラシも普通に用意されている。奥さんのいる「日常」が強制的に終わらせられるのを思い知らされるのはつらいだろうな、と。

 奥さんの最期の手紙。あれはものすごく共感します。
 それでいいんだと思うんですよね。
 自分の死後も「自分が幸福でありたい」とは願わない。やっぱり、自分の幸福より「あなたが幸福であってほしい」から。
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