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ニジンスキー
2011/05/15(Sun)
 本日は宝塚の(青年館)公演で『ニジンスキー』見てきました。
 贔屓の出ていない宝塚公演はあまり見ないのですが、DVDで雪組生徒さんをちょっと覚えたのと、何よりポスターが美しかったのでチケットを手配しました。

 バレエは門外漢なので、「ニジンスキー」と聞いて最初に思い浮かべたのはフィギュアスケートのプルシェンコでした(「ニジンスキーに捧ぐ」ってやつ・汗)
 映像は一切残っていないけど伝説的なダンサー&振付師で、熱烈ファンが多い人らしいですね。ロシアのバレエ団主宰者に才能と美貌を見初められて立身出世した人(主宰者(男)の愛人にもなりましたが)。後に主宰者を振り切って(というか主宰者のいぬ間に?)結婚した奥さんが「彼のファンがコネで同じバレエ団に入り、妻に成り上がった人」とさんざんにケナされているのも見ました(ロシア人とハンガリー人だから、会話も不自由していたとか何とか)
 ただ、奥さんが後年ヅカファンになり(なぜ)日本語講師にスイス留学時代の河合隼雄さん(心理学者。文化庁長官もやりました)を雇っていた(アルバイト)、というエピソードは好きです。河合先生好きだから、先生に関わる人だと思えばキライになれないわ。

 舞台では、そんなニジンスキーのパリ時代~心が崩壊するまでを扱っていました。
 以下、舞台の感想(ネタバレ注意)

 「清く正しく美しく」の宝塚で、ニジンスキーとセルゲイ(バレエ団主宰者)の同性愛をきっちり描いたのはグッジョブだと思います。ニジンスキーの生涯において、セルゲイとの愛憎劇は避けられないはずだから。その一方で、妻との話は美談になっている印象。そこはやっぱり宝塚なんだなあと。史実の奥さんがヅカ贔屓なら余計に悪く書けないだろうし。
 ニジンスキーが現実と狂気の狭間にいるときに、セルゲイと妻が対峙する場面があるのですが、三角関係際立つ修羅場なのに、妻の主張がピンときませんでした。セルゲイは(第一次世界大戦のせいで)ハンガリーに軟禁状態にあったニジンスキー夫妻を解放するために手を回し、その代償として再び自分の下で踊ることを求めた。ギブ&テイクが成立しているし、自分を裏切って他の女と結婚したかつての恋人に対する行動としては寛大といえる。対する妻は、何もしていない。「一緒にいるだけでいい」とニジンスキーは言ったけど、実家が金持ちでもニジンスキーバレエ団のマネジメントに協力している様子はないし、踊り子としての才能はゼロ。その妻が、自分たちの軟禁を解く手配をしてくれたセルゲイになぜケンカを売る。せめて礼の一言を述べた上でタンカをきってほしかった。恩知らずに見えるので。
 3人の三角関係が丁寧に描かれている一方で、他の有名人がことごとくチョイ役になってしまっているのは残念でした。ストラヴィンスキーなんて音楽の教科書に載っている人なのに。振付師さんも、ダンサーカップルもそれぞれ有名人みたいなのに。彼らのニジンスキー(の才能)への羨望と嫉妬をもっと丁寧に書いた方が、ニジンスキーがどれだけ稀代のスターなのか伝わったと思います。自分の才能を信じてバレエ団を辞めていくことに説得力が出るし(繊細な天才にマネジメント能力がなかったのは仕方なかろう)
 宝塚のバウホール公演(私が見たのは青年館ですが)は、トップでない若手が主役をはり、演出も若手演出家が手がけることが多いですが、そのせいなんですかね。ちょっと残念でした。

 主人公ニジンスキー役をやっていた早霧せいなさん(ちぎちゃん)は踊り頑張ってたし、演技は丁寧でしたが、歌は本当に……でした。特にソロになると音がずれて声がふるえているのが。彼女の歌唱力はよく批判されていたけど、残念ながら、その意見に納得せざるをえませんでした。感情が伝わってこないよ(がっくり)
 ちぎちゃん、ものすごい美人さんなのに(今月号の『歌劇』表紙やってます)。演技もよく練ってあって、繊細かつ大胆で、見ててワクワクするのに(ロミジュリのマーキューシオは心底好きだ)。わりと好きなタカラジェンヌさんなので、トップや3番目(どちらも歌上手)と公演重ねることで上達してほしいと願ってやみません。
 男役二番手ポジのセルゲイ役さんは、大柄でヒゲつけると本当に男性に見える方で(普段化粧だと女性らしいのに)、渋い演技がきちんとできていたと思います。同性愛者という色物扱いされずに、一人の天才に執着する凡人の愛情と憎悪が見えたのも良かった。
 ヒロインは──結婚前の演技がちょっとぶりっこ入っていて、共感できなかった。娘役さんは男役との対比で可愛い声を出す必要があるのでしょうが、あそこまで甲高い声にしなくても。歌い出すと普通のトーンになる分、余計違和感が。結婚後は落ち着いてて、よかったと思います。


 ……よし、「舞台」について大体書いたな。じゃ、振り付け話に移ります。


 今回のバレエの振付は「小林十市」さんという、ペジャールバレエ団にいた人にお願いしたということで、当初から話題になっていました。ニジンスキーの映像が残っていないから、どんなバレエだったのか、彼が考えて振付けてくれたらしい。バレエ門外漢の私には「ペジャールバレエ団」と言われてもピンとこなくて。「ペジャールっぽい振り付けが満載」という感想を見ても「ペジャールっぽいって何?」と思っていました。
 観劇後、改めてちゃんと調べたら「ペジャール」氏はラヴェルの「ボレロ」の振り付けで有名な方でした。で、一気に疑問氷解。あの「ボレロ」の振り付けと通じる振りは確かにいっぱいあった。「男役」でなく「男性」に踊ってほしいという感想があったのもうなずける、力強くて男らしい振り付けでした。
 余談ですが、私がバレエの「ボレロ」を本当に素晴らしいと思うようになったのはわりと最近です(ギエム最高!)。初めて見たとき(高校の音楽の授業)は何とも思わなかったのに(同級生はめっちゃ感動していた)。多分、舞台を見るようになって「バレエ的な美しさ」を知ったことが大きいのでしょうね。あと自分が「踊れない」ことをいやというほど実感するようになったこと。ポーズを決めるときの手足の正しいポジショニングはわからないし、体を支える筋肉も足りない。小学生のころに習い事でバレエを選ばなかったことは今更ながら後悔しています(ダンスやる人間にとってバレエの基礎を体に叩き込むことは本当に大事だと思います)

 今回ニジンスキーの踊りとして「シェヘラザート」と「牧神の午後」があったけど、どちらも「ペジャールっぽい」振り付けで、力強くてどきどきしました。本当にかっこよかった。「牧神の午後」はニンフに去られた牧神のシーンがキモだと聞いていたのですが、布を使って綺麗に描いていたと思います(バレエ知識のない素人の見解ですが)
 だがしかし。個人的に最も感動したのはフィナーレだったりします。踊り上手な面子ををそろえたというだけあって圧巻。クラシックバレエぽい動きも、モダンバレエぽい動きも、どちらも綺麗だな~と見とれていました(バレエ知識のない素人の以下略)

 最後にもいっこ。『ロミオとジュリエット』のDVD見て、フィナーレでしか踊っていないのに目が離せなかった大凪真生さん。彼女は絶対ダンサーだろうと思っていたので、今回ガン見していたのですが、やっぱり上手かった。体に軸があって、踊っていて一切ぶれない。手足がすらりと長くて(背も高い)指先のしぐさも綺麗。私が日頃「こう躍れたらいいのに」と思っていたような踊り方で、心底うらやましかった(笑)
 身長が伸びすぎたバレリーナが宝塚に入ることがあるようですが(星組の現トップさんなんか、バレエで海外留学できるほどの腕前だったらしい)、彼女もそのパターンなのかな(歌はイマイチっぽいし)。こういう人を見つけられるのは、宝塚ならではなのでしょうね。

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