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カナリア
2011/11/05(Sat)
 今日は仕事入れずに舞台を見てくる予定だったのですが、昨晩片付かなかった仕事があったので、午前中は自宅で仕事をして、昼過ぎに職場に出かけてメールと宅配便を出して、それからミュージカルを観てきました。土曜日にわざわざ出社して40分で帰るって、ものすごく時間の無駄遣いですよね。

 今回見たのは宝塚花組の『カナリア』。10年ほど前に上演されたコメディです。人気があるらしく、私も名前は聞いたことがあります。
 以下、相変わらずネタバレ配慮なしの感想。未見の方はご注意を。



 笑ってほろりとさせてくれる、良いお話でした。

 あらすじは以下の通り。
 悪魔学生ヴィムが卒業試験として人間界で1人の人間を不幸にする課題を与えられる。人間界に降り立ったヴィムが出会ったのは不幸のどん底にいる、けれど前向きでしたたかな女性アジャーニ。不幸中の人間をさらに不幸にする方法を考えて「心の安寧を奪えばいい」と思い立ったヴィムはアジャーニをそそのかして銀行強盗をさせる(しかも複数回数)けど、アジャーニは裕福になったことを素直に喜んで、警察におびえたり不安になったりしない。ヴィムは腹を立てて警察にアジャーニを逮捕させるが、今度は悪魔界の方々に「悪魔が警察に協力するなんて」と非難される。しぶしぶアジャーニを警察から脱走させ、再び犯罪をするよう強要する。「目的が正しければ手段はどうやってもいい」とつぶやいたアジャーニは、今度は犯罪組織や武器商人からお金を奪い、それを自分で起こした慈善事業の活動資金とする。あまりに大きな善行に、事態を知った悪魔界は大騒ぎ。ヴィムに召還命令が下る。ヴィムは不安そうなアジャーニに微笑んで悪魔界へ帰る。悪魔界でヴィムは裁かれ、力を奪った上で人間界へ追放することになった。力をなくした悪魔は人間界では生きていくことはできない。人間界へ戻ったとたん、道端に倒れ伏すヴィム。そこを通りかかったアジャーニと会い、彼女には罰が下らないことを伝えてヴィムは天に召されたという。

 ……と書くと、なんかシリアスっぽいけど、基本コメディです。バカばっかり。悪魔学校の先生(男役が大魔女やってます)は威厳のある話し方をするんだけどヴィムに対してだけは「ファイト(はぁと)」みたいな可愛い話し方になる。アジャーニは銀行強盗を何回もやるんだけど、だんだん被害者も慣れてきて「手を上げろ」という前に客は手を上げるし、袋をアジャーニに出させてせっせとつめて返す。刑事さんはアジャーニの言うことにころっとだまされる始末。借金取りとして登場したはずのゴロツキは、ヴィムにもらった指輪のせいで(ヴィムの言いなりになる魔法、のつもりが、人の言いなりになる魔法になっちゃった模様)従順で人の言うことをよくきく子犬キャラになっちゃう。貧乏人に食事や宿を提供する神父さまは得体の知れない人からの寄付金(銀行強盗収穫金の一部)を「出所はどこでもお金はお金」と言い切ってじゃんじゃん使っちゃう。そして悪魔ヴィムは、キャラ設定としてはクールガイなはずなのに、教会に連れてこられたときはお祈りの言葉や賛美歌を聴かされて半死半生になっていた。
 すっごいアホくさくて、笑えました。

 そして、1幕で大笑いした分、2幕が切ない。ヴィムが悪魔だと聞かされたアジャーニが善行がバレないように注意深く行動するようになる。そのくせ「私はいずれあなたの望むとおり、不幸になる」とつぶやく。アジャーニにとっての不幸は、犯罪者になることなのか、ヴィムに裏切ったと思われることなのか──
 でも、アジャーニを「あわれ」だと思う感情が芽生えたヴィムは、彼女がしていることを察しても、探ろうとはしなかった。探ったら、止めないといけないことがわかっていたから。自分ひとりの身に負いきれない善行だったと知った後も、責めなかった。お前の望むようにすればいいと微笑んで、帰ったら処罰されるなら帰らなければいいと引き止めるアジャーニや神父さまたちの説得を振り切って、帰っていく。自分の処罰を黙って受け、かつてアジャーニをだました彼女との「魂の譲渡契約」が(自分の死によって)無効になることを確認して、人間界へ去っていく。
 人間界で行き倒れたヴィムが、自分の目の前にいるのがアジャーニだと知ったとき、魂の譲渡契約は無効になるから心配するなと言って、それだけを伝えて亡くなったのが悲しかったです。彼にとって一番大事なことが、アジャーニが不幸にならないこと、に変わっていたんだなあ、と思ったから。
 ……ま、その切ない気持ちも、最後の場面ですっぱり笑いに転化させられるんだけどね。さすがコメディ作品だちくしょうめ(←ほめ言葉)

 役者さん・キャラクターの感想(一部)
 ヴィムはカッコイイ悪魔なのに人間界の皆様のしたたかさに振り回されるさまがおいしゅうございました。最期のシーンのセリフの言い回しがやや単調だったのが不満ですが、高望みでしょうか(苦笑)。アジャーニは最初は宝塚の娘役さんとは思えないほどヨゴレ役でしたが、前向きなしたたかさは嫌いじゃありませんでした。立場が何度もガラっと変わるから、大変だったろうなあと思いながら見ていました。ラブロー神父さまは弱気な神父様で、ツッコミどころ満載で素晴らしい人物だと思います(さすがのみわっちクオリティ)。あとは借金の取り立て屋→大型犬になるディジョンと、悪魔学校の校長先生が好きでした。

 宝塚オリジナル作品でコメディって難しいだろうに(主演はカッコよく見せないといけない世界ですからね)、よく出来ていたと思います。とても楽しい時間でした。

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